切削時間計算ツール

端面・荒・仕上げ・溝入れ…と1行ずつ足して、1個ぶんの切削時間を出します。 取り代と切込みからパス数も計算します。

これは切削している時間だけの概算です。 早送り・工具交換・加減速・ワークの着脱は含みません。 実際にかかる時間を保証するものではありません。

機械の設定

入れると、切削速度一定(G96)で中心まで削るときに 回転数の頭打ちを見ます。空のままでも計算できます。

入っている数字は S45C・超硬工具(穴あけはハイス)を想定した目安です。 被削材と工具で変わります。 根拠と範囲

1個ぶんの切削時間
— 分

⚠ 渡すのは切削している時間だけです。 早送り・工具交換・ワークの着脱は、製造原価計算の加工時間に足してください。

製造原価計算

計算式

旋削(外径・端面・溝入れ・突切り)

回転の指定で式が変わります。 切削速度一定(G96)では、中心に近づくほど回転数が上がるためです。

切削速度一定 G96   時間 = 削った回転面の面積(mm²) ÷ (1000 × Vc × f)
回転数一定   G97   時間 = 削る距離(mm) ÷ (f × N)

面積の式は、G96 を半径方向に積分したものです。 N(r) = 1000Vc ÷ 2πr を dt = dr ÷ (f・N) に入れて r2 から r1 まで足すと π(r1²−r2²) ÷ (1000・Vc・f) になります。

外径の長手だけは、どちらの式でも同じ答えになります。 径が変わらないためです(φ50×L100・Vc150・f0.2 で、どちらも 0.5236分)。

フライス

送り速度 vf = fz × z × N
時間        = テーブル総送り長さ ÷ vf

正面フライス   テーブル総送り長さ = 加工長 + 工具径

正面フライスで工具径を足すのは、アプローチとオーバーランのぶんです。 工具メーカー各社が同じ扱いをしています。

側面・輪郭では、経路長そのものを入れてください。 外周を回るときは、輪郭の長さより 工具径 × π ぶん長くなります(内側は短くなります)。 輪郭の形から自動で出すことは、このツールではできません。

穴あけ

時間 = (深さ + 先端長) × 穴数 ÷ (N × f)
先端長 = (D ÷ 2) ÷ tan(先端角 ÷ 2)

118° → D×0.301 / 120° → D×0.289 / 140° → D×0.182

先端長は、貫通でも止まり穴でも足します。 図面の穴の深さは、ドリルの先の円すいを含まない円筒部の深さ(JIS B 0001)なので、ドリルは「深さ + 先端長」まで進みます。 深さには、貫通なら板厚、止まり穴なら図面の深さを入れてください。

先端長とドリルを進める深さ(Z)だけを出したいときは、ドリル先端長計算が使えます。 ⚠ そこで出した Z を、ここの「深さ」に入れないでください。先端長を二重に足すことになります。

パス数

外径          (削る前の径 − 仕上がりの径) ÷ 2 ÷ 切込み
端面・正面     取り代 ÷ 切込み
溝入れ         溝の幅 ÷ 工具の幅
正面フライス   (削る幅 ÷ 有効幅)×(取り代 ÷ 切込み)

いずれも切り上げです。2.1パスは3パスになります。 実際のパス数が分かっているときは、行の「パス数」に直接入れてください。 そちらが優先されます。 外径では、取り代をそのパス数で均等に分けて計算します(入れた切込みは使いません)。

初期値について

最初から入っている数字は、S45C を超硬工具で削る場合の目安です (穴あけだけハイスドリルを想定しています)。 被削材・工具・機械で変わるので、自社の条件に置き換えてください。

加工切削速度 Vc送り切込み
外径・端面120(範囲 60〜150)0.12(0.1〜0.3)1.0/0.8(0.5〜3)
溝入れ・突切り800.08工具幅ぶん
穴あけ(ハイス)25(ハイスの目安。ドリルのメーカーの推奨表で確かめてください)0.15(0.05〜0.3)—
正面フライス130(範囲 80〜180)0.2 mm/刃(0.1〜0.4)2(1〜4)
側面・輪郭1000.05 mm/刃軸方向5

穴あけの先端角118°はハイスドリルの標準です。 超硬ドリルなら140°が一般的で、切削速度も上げられます(80〜120 程度)。 先端角を変えると、足す先端長も変わります。

正面フライスの削る幅は、工具径より小さくしてあります(φ63 に対して45mm)。 カッタ径は削り幅より20〜50%大きく取り、芯をワークの中心からずらすのが定石です。 幅いっぱいに削ると工具寿命の面で不利になります。

幅が工具径より小さくても、テーブル総送り長さは「加工長+工具径」のままにしています。 実際には、ワークのきわからいきなり切り込むことは少ないためです (危険なので、手前から送り始めます)。

出典: キーエンス(フライス)・ キーエンス(穴加工)・ 三菱マテリアル・ 住友電工ハードメタル・ Sandvik Coromant(正面フライス)

このツールで出せないもの

  • 早送り・工具交換・加減速・ワークの着脱の時間
  • 輪郭の形からの経路長(工具径補正)
  • ねじ切り・ローレット・タップ

制御装置が出す推定時間も、実際より短く出ます。 モーターの加減速と工具交換が入っていないためです。 加工時間は計算で出るのかにまとめています。