切削条件計算ツール
切削速度と送りから、機械に入れる回転数と送り速度を出します。 加工長を入れると、1個の加工時間まで出ます。
切削速度 150 m/min / 加工径 φ50
| 送り速度 F | 191 mm/min |
| 1回転あたり送り | 0.2 mm/rev |
加工時間
| 1パス | 0.524 分 |
| 1個(1パス) | 0.524 分 |
| 100個の合計 | 52.4 分 |
計算式
回転数 N(min⁻¹) = 1000 × Vc ÷ (π × D) 切削速度 Vc(m/min) = π × D × N ÷ 1000 送り速度 F(mm/min) 旋盤 = f × N (f は 1回転あたり送り mm/rev) フライス = fz × z × N (fz は 1刃あたり送り、z は刃数) 加工時間(分) = 加工長 × パス数 ÷ F
Vc は m/min、D は mm です。 単位が違うので 1000 の換算が入ります。ここが最も間違えやすいところです。
入力項目の説明
| 項目 | 何を入れるか |
|---|---|
| 加工径 D(旋盤) | 削っている位置の直径。工具の径ではありません |
| 工具径 D(フライス) | エンドミルや正面フライスの刃の直径 |
| 刃数 z | 工具の刃の枚数。送り速度に直接効きます |
| 切削速度 Vc | 工具メーカーのカタログにある推奨値。材質と工具で決まります |
| 回転数 N | 機械に入れる主軸の回転数。ここに入れると Vc を逆算します |
| 送り f / fz | 旋盤は1回転あたり、フライスは1刃あたり |
| 送り速度 F | プログラムの F。ここに入れると f / fz を逆算します |
| 加工長 | 工具が切削しながら動く距離。食い付きと抜けを含めます |
| パス数 | 同じ場所を何回通るか。荒取りの回数など |
| 個数 | 合計時間を見るときだけ使います |
関連するツール
| ツール | つながり |
|---|---|
| 製造コスト計算 | ここで出した加工時間を、そのまま入力に使えます |
| 機械チャージ計算 | 加工時間に掛ける、機械の時間単価 |
| 材料重量計算 | 丸棒・板材の重量と材料費。金属18種の比重表つき |
| テーパー計算 | 円錐台の寸法。標準テーパーの早見表つき |
使うときの注意
切削速度の目安は載せていません
切削速度は材質だけでは決まりません。 工具の材種(超硬・コーテッド・ハイス)、クーラントの有無、機械の剛性、 突き出し量で大きく変わります。同じ S45C でも、コーテッド超硬なら 200 m/min 前後、ハイスなら 30 m/min 前後という具合に一桁近く違います。
表にして載せると「その数字が正しい」と読まれてしまい、 工具を折る側に働きます。使う工具のカタログ値を入れてください。 工具メーカーは材質・工具ごとの推奨条件を公開しています。
パス数の出し方
旋盤(外径) パス数 = (素材径 − 仕上がり径) ÷ 2 ÷ 切込み ap
※ 径の差は直径、ap は半径方向なので 2 で割る
フライス パス数 = 幅方向のピック数 × 深さ方向の回数
幅方向 = 加工幅 ÷ ae(切り込み幅)
深さ方向 = 取り代 ÷ ap(切り込み深さ) いずれも切り上げです。端数のパスも1回は1回かかります。
径が変わる旋削は、平均の径で見る
外径を何パスも取ると、1パスごとに加工径が小さくなります。 周速一定(G96)なら回転数はその都度上がり、定回転(G97)なら切削速度が落ちます。
このツールは入力した1つの径で計算します。 取り代が大きいときは、素材径と仕上がり径の中間を入れると実態に近くなります。 φ60 から φ40 まで削るなら φ50 です。
出るのは「切っている時間」だけ
早送りでの移動、切り込みのアプローチ、工具交換、ワークの着脱、測定—— これらは入っていません。
見積もりに使うときは、この値に余裕を見て足すことになります。 段取り時間は製造コスト計算側で別に入れる項目なので、 そちらに入れてください。
送り速度の上限は機械側にもある
計算上の F が出ても、機械の早送り速度や送り軸の能力を超えることはできません。 特に小径工具を高回転で回すときに起きます。 φ3 のエンドミルを 15,000 min⁻¹ で回すと F は数千 mm/min になります。
※ 切削条件は工具・材質・機械・クーラント条件で変わります。 実際の加工にあたっては、工具メーカーの推奨条件と自社の実績値をご確認ください。