テーパー計算ツール
円錐台の小径・大径・長さ・角度のうち3つを入れると、残りの1つが出ます。
| 小径 d | 30 mm |
| 大径 D | 60 mm |
| 長さ L | 8.66 mm |
| 片角 α | 60 ° |
| 両角 2α | 120 ° |
| テーパー分母 K | 0.2887 |
計算式
tan α = (D − d) ÷ (2L) α は片角 大径 D = d + 2L · tan α 小径 d = D − 2L · tan α 長さ L = (D − d) ÷ (2 · tan α)
角度の指定は3方式
片角 α (°) そのまま 両角 2α (°) α = 2α ÷ 2 テーパー分母 K α = atan( 1 ÷ (2K) )
テーパー分母 K は直径基準です。整理すると (D − d) ÷ L = 1 ÷ K になります。
つまり「テーパー 1/20」は、長さが20進むと直径が1変わるという意味です。
入力項目の説明
| 項目 | 何を入れるか |
|---|---|
| 何を求めるか | 求めたい1つを選びます。その欄は入力できなくなります |
| 小径 d | 細い側の直径 |
| 大径 D | 太い側の直径 |
| 長さ L | d と D の間の軸方向の距離。部品の全長ではありません |
| 両角 2α | 図面に「60°」などと書かれている、挟み角 |
| 片角 α | 母線と軸のなす角。両角の半分 |
| テーパー分母 K | 「1/20テーパー」なら 20 を入れます |
図面から数字を拾うときの注意
「長さ L」は部品の全長ではない
ここでいう L は、小径 d の位置から大径 D の位置までの距離です。 図面ではテーパー部の手前にストレート部があったり、面取りが入っていたりします。 その分を含めて入れると、角度が合いません。
角度が「片角」か「両角」かで倍違う
同じ「30°」でも、片角なら両角60°、両角なら片角15°です。長さは2倍以上ずれます。 迷ったら「角度を計算」に切り替えて実寸から逆算すると、両方の値が同時に出ます。
テーパー比の表記には流儀がある
このツールは直径基準((D−d)/L = 1/K)で計算しています。
ただし片側の傾き(勾配)で書かれている図面もあり、その場合は同じ「1/20」でも角度が倍違います。
出た角度が図面の指示と合わないときは、まずここを疑ってください。
標準テーパー早見表
規格で決まっているテーパーの一覧です。比率をそのままツールの「テーパー分母 K」に入れられます。
角度は規格書から書き写したものではなく、比率からこのサイトで計算した値です。 計算式はこのページのツールと同じものを使っているので、結果は必ず一致します。
モールステーパー(MT)
ドリル・リーマ・センタなどのシャンクと、旋盤の心押し軸やボール盤の主軸に使われます。番手ごとにテーパ比が違うので、番手を取り違えると角度が合いません。
| 規格 | テーパ比 | 片角 α | 両角 2α | 大端径 | テーパ長 |
|---|---|---|---|---|---|
| MT0 | 1/19.212 | 1°29'27" | 2°58'54" | 9.045 mm | 50 mm |
| MT1 | 1/20.047 | 1°25'43" | 2°51'27" | 12.065 mm | 53.5 mm |
| MT2 | 1/20.020 | 1°25'50" | 2°51'41" | 17.78 mm | 64 mm |
| MT3 | 1/19.922 | 1°26'16" | 2°52'31" | 23.825 mm | 81 mm |
| MT4 | 1/19.254 | 1°29'15" | 2°58'30" | 31.267 mm | 102.5 mm |
| MT5 | 1/19.002 | 1°30'26" | 3°00'52" | 44.399 mm | 129.5 mm |
| MT6 | 1/19.180 | 1°29'36" | 2°59'12" | 63.348 mm | 182 mm |
出典: 精密シャフト.COM/カブト工業ほか (JIS B 4003)
7/24テーパー(BT・NT・CAT)
マシニングセンタやフライス盤の主軸まわりで使われる急テーパーです。サイズが変わっても比率は同じなので、角度は1つだけ覚えれば足ります。BTとNTは同じ角度で、主軸への固定方法が違います(BTはプルスタッド、NTは引きボルト)。
| 規格 | テーパ比 | 片角 α | 両角 2α | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| BT30 / BT40 / BT50 NT30 / NT40 / NT50 | 7/24 | 8°17'50" | 16°35'39" | サイズが違っても比率は共通 |
出典: JIS B 6339(7/24テーパシャンク) (JIS B 6339 / MAS 403(BT))
HSK(中空テーパシャンク)
高速回転向けの規格です。テーパ面とフランジ端面の2面で拘束するため、テーパは短く、比率も緩めになっています。
| 規格 | テーパ比 | 片角 α | 両角 2α | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| HSK-A / E / F(各サイズ共通) | 1/10 | 2°51'45" | 5°43'29" |
出典: DIN 69893 / ISO 12164-1 (DIN 69893 / ISO 12164-1)
その他、規格で決まっているテーパ
比率が1種類に決まっているものです。図面に比率が書かれていなくても、規格名で判断できます。
| 規格 | テーパ比 | 片角 α | 両角 2α | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| メートルテーパー | 1/20 | 1°25'56" | 2°51'51" | JIS B 4003 |
| テーパピン | 1/50 | 0°34'23" | 1°08'45" | JIS B 1352。長さが50進むと径が1変わる |
| 管用テーパねじ(R・Rc) | 1/16 | 1°47'24" | 3°34'47" | JIS B 0203 |
出典: 各JIS規格 (JIS B 4003 / B 1352 / B 0203)
手元のシャンクが何番か調べる
モールステーパーは大端径を測れば番手が絞れます。 約17.8mmならMT2、約23.8mmならMT3です。番手が分かればテーパ比も決まるので、 そこからこのツールで寸法を出せます。
よく使うテーパー比 → 角度
| テーパ比 | 片角 α | 両角 2α |
|---|---|---|
| 1/5 | 5°42'38" | 11°25'16" |
| 1/8 | 3°34'35" | 7°09'10" |
| 1/10 | 2°51'45" | 5°43'29" |
| 1/16 | 1°47'24" | 3°34'47" |
| 1/20 | 1°25'56" | 2°51'51" |
| 1/24 | 1°11'37" | 2°23'13" |
| 1/30 | 0°57'17" | 1°54'35" |
| 1/50 | 0°34'23" | 1°08'45" |
| 1/100 | 0°17'11" | 0°34'23" |
| 7/24 | 8°17'50" | 16°35'39" |
載せていないもの
ジャコブステーパー(JT)とブラウン&シャープテーパーは載せていません。 番手ごとに比率が不規則で、確実な出典を確認できなかったためです。 推測で載せると早見表の意味がなくなるので、メーカーの寸法表をご確認ください。
削り方と検査について
出した角度を実際に機械へ入れる手順と、削った後の確かめ方は、別の記事にまとめています。
- 旋盤のテーパー加工|3つの削り方と、当たりの見方 — 複式刃物台・心押し台のオフセット・NCの使い分け、当たりの見方、光明丹の鉛について
※ 計算は理論値です。実際の加工では工具の逃げや機械の癖で誤差が出ます。 合格基準や測定方法は図面の指示や社内基準が優先されます。重要な寸法は必ず実測で確認してください。