材料費の出し方|切代・つかみ代・端材をどう扱うか

公開 2026/9/3 ・ 見積もり・原価 ・ およそ4分で読めます

材料費の式そのものは、迷うところがありません。

材料費 = 重量 × キロ単価
重量   = 体積 × 比重 ÷ 1,000,000

体積を出して、比重を掛けて、単価を掛ける。それだけです。

なのに、実際の請求と合わないことがあります。 合わない原因はたいてい寸法の取り方か、端材の扱いのどちらかだと思います。

図面の寸法で計算すると足りない

仕上がり寸法で計算していないでしょうか。

φ48に仕上げる部品でも、材料はφ50を買います。 長さも同じで、切代とつかみ代の分が要ります。

同じ部品で、寸法の取り方だけ変えてみます。S45C(比重7.85)、キロ単価400円とします。

寸法重量材料費
図面の仕上がり寸法φ48 × 100mm1.4205kg568円
実際に買う寸法φ50 × 105mm1.6184kg647円
79円

1個あたり79円、100個で7,916円。約14%です。

材料費が原価の3割を占める部品なら、全体で4%ほど安く見積もっていたことになります。利益率がそれ以下なら、材料の見積もりだけで赤字です。

何を足すか

削り代(径)黒皮を落とす分と、仕上げ代。φ48ならφ50が定番
切代切断で消える分。のこ刃の厚み
つかみ代チャックでつかむ分。突っ切りで落とすなら、その分も
端面の取り代両端を削るなら、その分

どれも数mmですが、小さい部品ほど比率としては効きます。

→ 寸法から重量と材料費を出すなら材料重量計算ツールが使えます。金属18種の比重表もあります。

定尺から何個取れるか

材料は定尺(2mや4m)で買うことが多いと思います。そこから必要な長さを切り出します。

φ50の2m材で、105mmの部品を取ってみます。切代を3mmとします。

1個あたりの取り代  105 + 3 = 108mm
2,000 ÷ 108 = 18.5  →  18個
残り  2,000 − 18 × 108 = 56mm

18個取れて、56mm余ります。

φ50の2m材は約30.83kg、キロ単価400円で12,331円です。これを18個で割ると、こうなります。

材料費
必要な分だけ計算647円/個
定尺1本を18個で割る685円/個
38円

端材の56mmが、38円として乗ってきます。

端材を原価に乗せるか

ここは会社の方針が分かれるところだと思います。

乗せない端材を他の仕事に回せる場合。短い部品や試作に使える
乗せる捨てる場合。あるいは長さが半端で使い道がない場合

どちらが正しいという話ではありません。 ただ、乗せないと決めたなら、その端材が本当に使われているかは見ておいた方がいいと思います。使われずに置き場を占めているなら、実質は捨てているのと同じです。

そして注文が半端な数のときほど、端材は増えます。 18個取りの材料で20個の注文が来れば、2本目から2個取って、残り16個分が余ります。この余りを次の仕事に回せるかどうかで、原価が変わります。

材料単価は動く

鋼材の単価は変わります。 見積もりを出した時点と、実際に発注する時点で違うことがあります。

見積もりの有効期限を切る「本見積もりは◯日間有効」と添える
単価を記録しておくいつ時点の単価で計算したか。後から検証できる
径と数量で単価が変わる同じ材質でも、細物と太物、1本と10本で違う

「前と同じ図面だから前と同じ金額」で出すと、材料が上がっていた分がそのまま利益から消えます。

材質が変われば単価も変わる

同じ形状でも、材質が変われば材料費が変わります。比重が近くても、キロ単価が違うためです。

例えば材料のキロ単価が1.5倍になると、この部品ではこうなります。

材料費納品1個あたりの原価
400円/kg647円2,236円
600円/kg971円2,570円

材料費だけで324円、全体で15%上がります。

材質の指定が変わったときは、材料費だけでなく加工の条件も変わります。→ S45CとSCM435の違い

形材を「重量 × 単価」で出せないことがある

パイプ・アングル・チャンネルなどの形材は、計算そのものはできます。 ただし「重量 × 単価」で材料費が決まらないことがあります。

定尺でしか買えない必要な長さだけ買えない
切り売りに最低数量がある少量だと割高になる
規格品の在庫の有無で納期が変わる特寸は待たされる

素材から削り出す丸棒・板材とは、原価の出方が違います。

まとめ

  • 式は重量 × キロ単価。迷うのは寸法の取り方端材
  • 図面の仕上がり寸法で計算すると足りない。 この例では79円、約14%
  • 定尺から何個取れるかを数えると、端材の分が乗る(この例では38円)
  • 端材を乗せるかは会社の方針。 ただし本当に使われているかは見ておく
  • 単価は動く。 いつ時点の数字かを記録しておく

寸法と比重から出すなら材料重量計算ツールへ。出した材料費は、そのまま製造コスト計算に渡せます。

材料費を含めた原価全体の出し方は加工の見積もりの出し方にまとめています。

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